じゆうちょう

ねん  くみ なまえ

映画感想【タクシードライバー】

監督:マーティン・スコセッシ  製作国:アメリ

 

一言で感想を表すなら「インセルくんこわ〜」です。

日本によくいる、競争に負けた末に凶悪犯罪を起こす男みたいな主人公でした。

せめて誰か人を殺す事が出来れば自分の人生一発逆転出来ると思いこんでいる。

たった1人の女にフラれたくらいで、

激昂して犯罪予告までしちゃうあたりこういう男よくいる〜!って思う。

その後自分程度でも優位に立てるくらいの少女にターゲット変えてるあたり本当よくいる〜。

しかもフラれる理由がデートに連れてった先がポルノ映画館だったってあたり、

相手(女性)がどんな事をしたら嫌がるか全く想像する気がない、

こういう男いるいる感固める演出としてバッチリ大成功っていう。

 

このブログで映画感想書く前に、毎回他の映画感想ブログ一通り読んでるんだけど、

「当時の時代背景を知らないとこの映画の真意は理解できない」って記事を見かけたんだよ。

どういう事かと調べたら、主人公はベトナム戦争帰りで厄介者扱いされ社会に居場所がなく、

戦争のPTSDに悩まされるが政府からは補償や適切な治療を受けられなかったと。

この映画は「無いわw主人公厨二病かよw」って思われがちだけど、

「主人公は現代にもいるし、あなたかもしれない」って事らしくて、

いや時代背景知らなくても伝わりましたけどみたいな。

 

社会から弾かれて鬱屈としている男は大体凶悪犯罪を犯す前に女に逃げようとするから

こういう男がどこにでもいるのは女はよく知ってるけど、

男は弾かれ者の男を視認していないんだよね。

タクシードライバーを酷評してるブログ見ても、

「普通こんなことしない、リアリティが無い」みたいなこと書いてあって、

いやこういうことしてくる男めっちゃおるけど!?みたいな。

映画ブログ立ち上げて酷評書きがちなおっさんから見た世界と

令和元年を生きる女が見た世界が違い過ぎて泣いちゃうわ。

 

社会から弾かれて鬱屈としている凶悪犯罪を犯す男、

現代日本では大体「子供」か「女」が狙われるが、

この映画の主人公は大物政治家暗殺を目論むんだけど、

はい、リアリティが無いですね。

凶悪犯罪を犯す男は弱者を殺したり謎の上から目線で命の選別をする事で、

自分はもっと上に立てるはずのヒーローだと主張するのが目的だよね。

大物政治家なんて強者中の強者殺したらヒーローになれませんが?

 

まあ暗殺は普通〜〜に失敗するんですけど。

暗殺失敗後、主人公は家出少女に売春させて食い物にしてる男をぶち殺して

用心棒もぶち殺して売春客もぶち殺すんですよ。

結果、新聞は「売春させられてる可哀想な少女を救った」みたいに書いて

主人公は英雄扱いされちゃうんだよね。

せめて誰か人を殺す事が出来れば自分の人生一発逆転出来ると思いこんでいる男の

願望通りのラストになっちゃうんだよこの映画。

前にフラれた女も「新聞読んだわよ」とか言って話しかけてくるし。

こ…こわ…これはインセルくんの望んだ世界!!こわ!!

大物政治家を殺せばただの精神異常者だと思われただろうけど、悪者を殺せば英雄扱い。

悪い奴は殺してもいいっていう、これもまた謎の上から目線の命の選別なんだよね。

 

タクシードライバー酷評してたブログで

「主人公が狂っていくまでの動機と理由が薄い」って書かれてて印象深かったんだけど、

人が狂うことについて第三者に納得のいく理由なんて無いんすよ!

そういう「無理解」で「排除する」姿勢のせいでみんな狂っていくんだよ。

理由なんて無くてもこんな男がどこにでも居るんだからまじこえーんだろうが。

インセルくん本当こわいですね。